2026.07.01

第2話 3時起きと配管学校

経営者ブログ

実績ゼロの若い代表が、信用をつくるために始めたこと

先代から引き継いだお客様とのつながりは、私にとって大きな財産でした。とはいえ、当時の私は勉強が得意だったわけでもない高卒の26歳。実績も実力も十分ではなく、周囲からすぐに信用してもらえるほど甘いものではありませんでした。

偉大だった父に、少しでも近づくにはどうすればよいのか。必死に考えた末に思いついたのが、父と同じ早朝3時起きを続けることでした。当時の私にできる、数少ない覚悟の示し方だったのかもしれません。

最初は目覚まし時計を5個セットして、ようやく起きる日々でした。しかし慣れとは不思議なもので、24年経った今では、時計が鳴る前に自然と目が覚めるようになりました。

実績のない若い代表者にとって、信用を得ることは簡単ではありません。特に大手ゼネコンの現場では、経験だけでなく、資格や知識も必要です。私は誰にも邪魔されない早朝の時間を使い、資格取得の勉強にも取り組みました。

とはいえ、仕事をしながらの勉強は決して楽なものではありませんでした。ただ「絶対に合格するんだ!」という強い意志をもって毎回試験に臨んでいたことを今では懐かしく思います。ちなみに数ある資格の中で、今一番役に立っているのは普通自動車第一種免許かもしれませんが……。

当時の社名はクリエイトツルモト。主力商品は、先代が考案し名付けた現場用の男性用小便器「スカイトイレ」でした。この商品があったからこそ、建設現場で会社の名前を知っていただくことができました。今のケイトップにつながる、大切な原点です。

大きな会社のように、人や設備が潤沢にあるわけではありません。代表である自分自身が現場に出て、自分の目で見て、考えて、判断するしかありませんでした。

そんな中、東京の現場を見る機会があり、私は強い衝撃を受けました。関東ではすでに、超高層ビルが次々と建っていたのです。

「いずれ関西にも、この波が来る」

そう直感しました。超高層現場になれば、上階まで水を押し上げるポンプや、給水・排水を理解した施工技術が必ず必要になる。その時に備えるには、まず自分自身が学ばなければならないと考えました。

そして30歳の時、働きながら配管を学べる学校の存在を知り、入学を決めました。生徒の多くは水道事業者の二代目や設備業者の社員たち。4月から翌年3月まで、仕事をしながら週に数回通う日々が始まりました。

朝3時に起き、仕事の段取りをし、現場をこなし、勉強して学校へ行く。体力的には厳しい一年でしたが、あの時に学んだことは、後の仮設給排水工事や職業訓練指導員の資格取得にもつながりました。

今振り返っても、あの一年は私にとって大きな財産です。そしてこの学びが、ケイトップを次の段階へ進める第二創業の土台になっていきました。