一般的なトイレは、水洗式になっています。
水洗式とは、トイレを流すときに、一定量の水を流すことによって、汚物を衛生的に処分する機能を持つ、便所の洗浄方式のことを言います。
日本では、戦国時代から水洗トイレを使っていたエピソードがあったり、世界ではローマ時代の遺跡から水洗トイレの遺構が見つかったりしており、かなり古くから取り入れられている洗浄方式と考えられます。
では、仮設トイレの場合はどうでしょうか。大きくは、汲み取り式と簡易水洗式、水洗式の3つに分かれます。それぞれ解説してみます。
汲み取り式トイレ
汲み取り式トイレと言うと、「ボットン便所」と言われるように日本で古くから使われてきた落下式便所のことになります。非水洗式ともいわれます。都市部ではほとんど見られなくなりましたが、地方にいけばまだまだ現役の汲み取り式トイレは存在します。
汲み取り式ということは、汚物を便槽に貯留するような仕組みになります。ボットンと、タンクに落とすだけのシンプルな仕掛けです。
汲み取り式のメリットとしては、
- 他のトイレに比べると、安価であること
- 水のない場所でも、使用できること
- 設置が簡単であること
が挙げられます。一方で、デメリットとしては、
- 匂いがこもりやすいこと
- 不衛生になりやすいこと
- タンクがいっぱいになったら汲み取りが必要なこと
が挙げられます。それぞれ対策された仮設トイレも出てきています。
簡易水洗式トイレ
フットペダルと呼ばれる装置を踏むことで、少量の洗浄水を流すことにより洗浄するトイレのことを指します。ペダル式とか軽水洗式トイレとも呼ばれるケースもあります。日本の仮設トイレの中では、標準的なタイプになります。水洗式に近いですが、排泄物は汲み取りを行う必要があります。
簡易水洗式トイレのメリットは、
- 清潔に使えること
- 臭いがこもりにくいこと(ニオイをシャットアウトする機構がついていることが多い)
が挙げられます。デメリットとしては、
- タンクに水がないと流れないため、水を補充する必要があること
- 近くに水道が必要であること
が挙げられます。
水洗式トイレ
水洗式トイレは、一般的なトイレと同様に、給水と排水設備と接続し、汚物を水で流すタイプになります。汲み取りの必要がないことが大きなメリットになります。
オプションに、ウォシュレットを付けることも可能であり、仮設トイレも一般的なトイレにどんどん近づいてきていることがわかります。